そろそろ年末ですね。
お店は通常通り営業しております。
さて、今回は(も?)空気圧の話。
毎日のようにパンク修理やらタイヤ交換やらを行っていて思うことがあります。
とにかく皆さん空気を入れない
入れてる・入れたばっかりという方も少なからず居られます。
が、その8割近い方が適正圧には届いていないんじゃないでしょうか?
店頭で空気を試しに入れていただいたりして、何となくその原因のようなものが見えてきました。
自転車に限らず、タイヤというものには大抵上の写真のように空気圧の表示があります。
普通の自転車(ママチャリ等)はほとんどが上の物と同じ300kpaという表示がされたタイヤが付いています。
(自転車探検!様より引用)
この表を参考にすると、60㎏程度の人が20㎏のママチャリ(26×1 3/8⇒タイヤ幅約37㎜)に乗った場合、全重量80㎏の約6割の荷重が掛かる後輪では概ね300kpaの空気圧は最低限必要になるようです。
さて、皆さんこの300kpaという数字をどのようにして測っていますか?
色々お話を聞いてみた結果ほとんどの方が次のように仰いました。
①「指でつまんで硬かったらOK」
②「20回空気注ぎを押す」
③「え、なんとなく・・・」
とまあ割といい加減です。
特に半分以上の方が①の回答なのですが、握力なんて人によって違いますし、タイヤも銘柄や新旧で大分触り心地が異なるのにどの程度から硬いということになるのか?
しかしながら、販売・修理に携わっているはずの自転車店業界としても、思えばこんな感覚でまかり通っていたように思います。
つくづく、これではダメです。
ではどうするのか?
まずは圧力計付きの空気入れを・・・といういつもの奴が始まるのですが、
ちょっと待った。
ここで次の問題が立ちはだかります。
それがこれ。
そう、『自転車の空気いれるとこ』こと『英式バルブ』です。
非常に簡単な構造のため安価で、壊れているかどうかも一目瞭然・・・
なのですが、一つ致命的な欠陥があります。
虫ゴム(写真右の黒いゴム部分)によってチューブから空気が出ていかないようになっているのですが、このゴムが押さえつける力を超えて空気を入れないといけないため、どうしてもポンプの押しごたえが固くなってしまうのです。
また、どの程度の力がゴムにあるのかはかなり個体差があり、せっかく圧力計付きの空気入れを使ってもタイヤ自体にはどれくらい入っているのかは良く分からないというなんとも珍妙な事態となってしまいます。
大体今までに試した感じでは1.2~1.5気圧(≒120kpa~150kpa)ほどで押さえ込んでいるようですので、300kpa入れるためには空気入れの圧力計読みで420~450kpaほど入れれば良さそうです、
とりあえずは。
ただ、店頭で中学生の女の子や、小柄な年配の方に試してみてもらったところ、かなりの方が400kpa超ではポンプを押し込めなくなっていました。
このことからも、このバルブ部分をなんとかする必要があると思います。
まずは色々なところで紹介されていますが
エアチェックアダプターというものが挙げられます。
これは英式バルブを米式バルブ(自動車等のバルブ)に変換するもので、圧力の管理という観点からも非常に素晴らしい物なのですが、若干高価なのが難点です。
こちら当店でも取り扱っておりますので興味のある方は是非・・・
で、もう一つはいわゆるスーパーバルブと言われている物です。↓
こんな奴です。
これはもっと単純で虫ゴムの代わりに差し込むだけのものです。お値段も300円もしませんので非常に使いやすいと思います。
このバルブは中の弁が大面積で開放されるようになっており、虫ゴムと違って圧力をほぼ喰いません。なので圧力計読みのままで空気入れを完了することができます。
では今回のまとめ。
①手の感覚とか曖昧なものに頼らず、圧力計の付いた空気入れを使うこと。
②英式バルブの自転車は、そのままでは圧力の管理がほぼ出来ないのでスーパーバルブ等に要交換。
いかがでしょう?
確かに圧力計付きの空気入れ等で2千円とか3千円とか初期投資は必要かもしれません。
しかしながら週一程度で圧の管理さえしていれば、まずパンクすることもなく、タイヤやチューブをきちんと寿命まで使うことができます。
買って3か月一回も空気を入れず、前後ともパンク・後輪に至ってはチューブいやひょっとしたらタイヤごと交換なんて方も居られます。
どちらが経済的かはすぐに分かると思います。
だいたい空気の入ってない自転車なんて、重くて乗ってられないでしょう?
PR