ご無沙汰しております。
さて今回は最近見かける、とあるタイヤについてです。
皆様は量販店等で
パンクしにくいタイヤ
というポップが付いた自転車を見たことがないでしょうか?
そもそも、なんで自転車はパンクするんでしょうか?
→それは空気が結構な圧力で入っているからですね。
じゃあ空気の代わりにゴムかスポンジを詰めたらパンクしないじゃない。
・・・と考えた方、全くその通り。今から2世紀以上前の人と同レベルです。
自転車は所詮非力な非力な人間の力で動く乗り物です。
エンジン付きの乗り物のように動力をどんどん大きくして堅牢で重厚長大にすることはできません。
なので極力軽く、その中で出来る範囲で快適かつ丈夫に作る必要があります。
あまりにも乗り心地の悪いゴムの塊であったタイヤを、空気を入れることで軽く乗り心地良く作ったジョン・ボイド・ダンロップ氏。
実に200年前の話です。ぜひダンロップ氏について調べてみてください。
空気入りタイヤがいかに革命的な発明であったかがわかると思います。
・・・前置きが長くなりました。
タイヤに空気が入っているということがいかに必要であるかということを伝えたかったのです。
自転車屋として修理に携わる中で分かったことは、物が刺さってパンクするタイヤというのは全体の2割にも満たない(個人的な経験談)ということです。
ほとんどの方が空気を入れずに乗って、チューブをすり減らしてパンクさせています。
空気の少ないチューブは張りが弱く、タイヤの中でしっかり踏ん張れません。
結果として中でチューブだけがズレて擦り切れてしまうのです。
パンクを防ぎたければ空気をしっかり入れましょう。
空気をしっかり入れましょう。
今回言いたいのはこれだけですが、ここで一枚見ていただきましょう。
これは修理で外したタイヤを輪切りにしたものです。
左の物だけなにやら赤いゴムみたいなものが地面に当たる側に詰め込まれているのがお分かりいただけると思います。
これが最近よく見る『パンクしにくい』タイヤです。
真ん中の丸い空間にチューブが収まって空気が入るのですが、左の物は妙な詰め物のせいで空気が入る量がだいぶ少なくなってしまいます。
するとどうなるのか。
チューブは同じですので同じように空気は抜けていきます。
当然空気量が少ない方が早くベコベコになります。
・・・が、やっかいなことに詰め物のせいでこのタイヤは妙に硬いのです。
なので空気が抜けてるのかどうかが非常に分かりにくい。
で、空気が少ないまま走る人が多数出てきます。
すると中でチューブがずれてしまい、擦り切れてしまうのです。
パンクしにくいタイヤの自転車を買ったのによくパンクするという妙なことになってしまいます。ろくでもないタイヤですね。
・・・妙なタイヤが付いている自転車を選ぶのはやめて、差額で空気圧計の付いた空気入れを買いましょう。
そして月に2,3回は空気をしっかり入れてください。
それが一番のパンクを防ぐ方法なのです。
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